エンジニアの仕事

ITエンジニアがピンポイントで学習すべき会計知識とは?

ITエンジニア 会計
  • ITエンジニアとして働いているけど、会計に関する知識が必要になった。
  • 具体的に会計の何を学習すれば良いかよくわからない。

今回の記事では、ITエンジニアとしてこれから会計に携わる人、あるいは業務システム開発の中で必要とする人に向けて、最低限抑えておきたい会計知識を解説していきます。

この記事の筆者の経歴
  • 税理士業界で4年弱働いた後、プログラミングスクールを経てITエンジニアにキャリアチェンジ。
  • 現在はRPAやPythonといったプログラミング言語を用いて、社内外の業務改善に従事している。

エンジニアが会計知識を必要とする理由

業務プロセスを理解する必要がある。

ITエンジニアの人達が会計知識を必要とするシステムに携わることは意外と多いものです。

業務システム開発はもちろんのこと、最近ではRPAやDXといった業務の効率化が活発化してきており、それらの業務プロセスを理解するためには会計分野の知識が必要となる場面に出てくるでしょう。

バックオフィス系サービスの普及

ITエンジニアが会計知識を必要とされる職種には、SIerといった客先常駐向けの人達が多いかと思います。

ただ、最近はバックオフィス向けのSaasが普及していることもあり、導入支援や内部の立場で開発に携わっているのであれば、会計知識が必須となります。

主なバックオフィス向けSaasの例

  • マネーフォワード
  • freee
  • Sansan

 

ITエンジニアが最低限学習しておきたい会計知識

財務三表

財務三表とは「貸借対照表」、「損益計算書」、「キャッシュフロー計算書」のことを言います。

これらは会計書類の中で最もオーソドックスな資料でもあり、どこの会社でもほぼ作成している書類となります。

これらを学習する上で抑えておきたいことは以下の項目です。

  1. 各会計書類は何のために作成しているのか?
  2. 各会計書類で出てくる用語の意味は?
  3. 各会計書類はお互いにどのように関連しているのか?

例えば、「損益計算書」は会社の一定期間の収益と費用の状態を表すための表であり、この計算書の中では「営業利益」や「経常利益」、「当期純利益」といった用語で細かい分類がされています。

また、「損益計算書」で算出した当期純利益は、最終的に「貸借対照表」の「純資産の部」にある「利益剰余金」に組み込まれます。

このように、財務三表は会計の全体像を知る上で最も基本的な書類になりますので、まずはそれぞれの意味をしっかりと理解しておきましょう。

請求書

請求書は日常の会計処理を行う中でも頻繁に目にする資料です。

そのため、経理の流れを把握する上で正確に読み解くスキルが必要となります。

請求書には主に以下のような内容が記載されています。

  • 請求書発行日
  • 請求書の相手方の氏名又は会社名
  • 請求者の会社名
  • 商品・サービスの内容
  • 合計金額 etc…

請求書の内容を理解することが、1つ1つの仕訳の意味や勘定科目の理解に繋がることになるので、まずは上記で挙げた項目を意識して確認してみましょう。

会計ソフト

大企業になるとバックオフィス業務は合理化されており、ERPや独自のシステムを構築している所も珍しくありません。

一方で中小企業になると、先ほど例に挙げたSaasやデスクトップにインストールするパッケージ型の会計ソフトを使用している所が多いです。

特にSaasはクラウドサービスの普及や他サービスのAPI連携といった機能も充実していることから、今後も拡大傾向が続くと予想されています。

そのため、財務三表を理解した後にこれらのサービスを使ってみることで、会計処理の流れを大まかに掴むのも良いでしょう。

優先順位が低い会計知識

簿記の資格

簿記とは上記で挙げたような財務三表を作成するためのいわゆる作業です。

仕訳の意味は理解しておいた方が良いですが、資格レベルで学習するとなると、ITエンジニアとしての目的とややズレてしまう可能性もありますので、そこまで深く学習する必要はありません。

もし業務の中で、勘定科目で理解できない用語が出てくれば、少し調べてみるぐらいの感覚で充分だと思います。

ITエンジニアに必要な会計知識はまず、全体像を俯瞰すること

経理の1年間の流れはシンプルで、基本的に「日常の会計処理→決算作業→税務申告」といった過程を通じて踏むことになります。

そのため、ITエンジニアは細かい内容よりまずは会計の全体像を把握してみることをオススメします。

そうした意味でもまずは財務三表がどういった流れで作られているのか、そしてこれらを作成するためにはどのようなシステムや資料を基に作られているのかを1つ1つ確認することで経理の流れを理解することができます。

ぜひ参考にご活用ください。