税理士業界はここ10年近くで大きく様変わりしました。
その大きな要因として「税理士業務のIT化」にあります。
今回は変化する税理士業界の中でどのようにITスキルを身につければ良いか詳しく解説していきます。
- 税理士業界で4年弱、中小企業向けの税務・会計コンサルに従事した後、ITスキルゼロからプログラミングを学習し、30歳手前でIT業界にキャリアチェンジする。
- RPAによる業務改善、テクニカルサポート、Webエンジニア、SEと経験を経て現在はフリーランスとして活動中。
- 経理×ITを強みにバックオフィス人材に向けたITリテラシーの向上に役立つ記事を発信しています。
なぜ税理士がITリテラシーを高める必要があるのか?
バックオフィス系ITツールの普及
近年、RPA(業務自動化ツール)やクラウド会計、生成AIなどのITツールが中小企業のバックオフィス業務に急速に浸透しています。
これらのツールは単なる業務効率化にとどまらず、経営の意思決定を支援する手段としても重要な役割を果たしています。
税理士がこれらのITツールに精通していれば、導入支援や業務フローの改善提案まで担えるようになり、単なる申告業務の枠を超えた付加価値の高いサービス提供が可能になります。ITリテラシーは、今や競争力を左右する必須スキルです。
2029年問題
2022年度から高校で必修化された「情報I」を学んだ世代が、2029年以降に新卒社員として企業に入社することで生じる、デジタルリテラシーの格差による問題のことです。
これにより、既存社員と新卒社員の間で、デジタルに関する知識やスキルに大きな差が生じ、コミュニケーションの齟齬や生産性の低下、若手社員の離職にもつながる可能性があるとされています。
税理士業務のプロジェクト化
近年、税理士の役割は「申告代行」から「業務改善のパートナー」へとシフトしています。
特に、クラウド会計やRPA導入など、ITツールを活用した業務効率化支援の依頼が増加し、それに伴って税理士業務がプロジェクト単位で進行するケースが増えています。
こうした業務では、顧客との要件整理やスケジュール管理、ツール選定などが求められ、プロジェクトマネジメントのスキルが不可欠です。
ITリテラシーに加えてマネジメント能力を身につけることで、より高い信頼と報酬を得られる税理士像が実現します。
税理士がITリテラシーを高めることができる資格
ITパスポート
ITパスポートは、情報処理技術者試験の中でも最も基礎的なレベルで、ITに関する幅広い知識を網羅的に学べる国家資格です。
特に、非エンジニアやバックオフィス担当者、経営層など、ITに詳しくないビジネスパーソンも多く受験しており、近年では税理士や士業関係者の取得も増加傾向にあります。
ITの基礎知識だけでなく、情報セキュリティ、ネットワーク、経営戦略、会計といった幅広いビジネス知識をカバーしているため、ITに対する苦手意識を克服する第一歩として最適です。
税理士がこの資格を取得することで、IT導入支援やクライアントとの会話に説得力を持たせることができ、ITリテラシー向上の入り口として非常に有効です。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、ITエンジニアを目指す人にとっての登竜門的な国家資格です。
アルゴリズムやプログラミング、ネットワーク、セキュリティといった技術要素に加え、IT戦略やマネジメントの知識も問われるため、体系的にITを理解したい税理士にとっても有用です。
ただし、試験内容の一部には非エンジニアにとって馴染みのないプログラミング系の出題も多く含まれるため、実務に活かせる分野を選んで学習するのがおすすめです。
ITの本質を理解し、専門家との円滑なコミュニケーションを図るための基礎力を養う資格として位置づけると良いでしょう。
優先順位の高い単元
セキュリティ
プログラミング
プロジェクトマネジメント
優先順位の低い単元
2進数の計算と数値表現
- コンピュータ回路
応用技術者試験
応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験の上位に位置する資格で、ITの専門知識に加えて、マネジメントや設計・企画・戦略といった上流工程の理解が求められます。
ITの仕組みを深く理解し、技術的な議論に参加できるレベルを目指す税理士にとっては、非常に価値ある学びの場です。
一方で、出題範囲が広く難易度も高いため、非エンジニアが全範囲を網羅するのはハードルが高めです。
業務に直結する単元(情報セキュリティ、IT戦略、マネジメントなど)に焦点を絞った学習が現実的であり、実務での応用力を高める近道となります。
IT資格を効率的に学習する方法
アプリケーション開発
IT資格の理解を深めるには、実際にアプリケーションを開発してみるのが効果的です。特にPythonは文法がシンプルで、初心者にも扱いやすく人気です。
近年では、大規模言語モデル(LLM)やRAG(検索拡張生成)を組み合わせることで、実践的なAIアプリの開発にも挑戦可能。学んだ知識を形にすることで、より深く・効率的に習得できます。
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独学
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これからの税理士には、単なる会計知識だけでなく、ITスキルの融合が不可欠です。クラウド会計やRPA、AIを活用できる人材は、企業からのニーズが高く、他の税理士との差別化にもつながります。
IT系資格を取得することで業務効率化の提案力が増し、コンサルティング領域への展開も可能に。
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