エンジニアの仕事

現役RPAエンジニアが今後のRPAの将来性について解説します

RPAエンジニア 将来性

私は前職の税理士業界を辞めて28歳でプログラミングを学習し、29歳で未経験からRPAエンジニアとしてキャリアチェンジしました。

現在は、社内外でRPAツールの導入やサポート支援を行なっています。

ここ数年、RPAの普及により、RPAエンジニアという職種を耳に聞くようになったことも多いのではないかと思います。そこで今回は、RPAの市場動向や実際に働いてみて感じたRPAエンジニアの将来性について語っていきます。

現在のRPA市場と現場からみたRPAのニーズ

2017〜2018年ごろから業務効率化のツールとしてRPAが話題になり、大企業や大手金融機関で「○万時間の業務時間の削減」といったニュースも大体的に報じられたことにより、RPAの認知度は一気に広まりました。

2020年現在、一般企業だけでなく、国や地方自治体とRPAの導入は増加しており、今後もRPA市場は拡大傾向にあると予想されています。

RPA 市場規模推移

出展:ITR

一方で現場からみたRPAのニーズとしてはコロナの影響もあり、設備投資を控えている企業も増加してきており、今後もその傾向がしばらく続いていくのではと感じています。

RPAエンジニアの将来性は?

結論として、RPAのニーズ自体は今後もしばらくは上昇傾向にあります。

冒頭でも述べたように、RPAは大企業だけでなく中小企業、そして国や地方自治体でも活用の場が広がってきており、徐々に普及しつつあります。

また、WinactorやUipathといったRPA製品のシェアも確立されてきていることから、ツール自体の認知も上がってきているのが一因です。

ではRPAエンジニアの将来性はどうかというと、少なくとも今後5年〜10年程度は一定のニーズが継続するのではないかと予想しています。

その理由としては主に2つあります。

RPAは継続的な保守・運用が必要

RPAを導入したものの、導入後の管理がうまくいかないということをよく耳にします。

特に中小企業では情報システム部署が存在しない所も多く、野良ロボット化してしまっている企業が多く存在するようです。

そのため、外部でRPAの導入をサポートするエンジニアだけでなく、社内の情報システム担当としてRPAツールを使いこなせる人材を雇い入れるケースも増えてきています。

そうした背景から、RPAエンジニアとして人材確保を必要とする企業は増加傾向にあるでしょう。

国によるDX化の推進

働き方改革の影響もあり、国がITツールを積極的に活用していくよう推進していることも一つの要因です。

特に日本の企業では請求書やサイト上の情報をExcelに入力すような事務作業が多いため、定型業務の自動化を強みとするRPAの活躍の場はまだまだ多く存在するのが現状です。

RPAエンジニアのみの経験ではリスクが高い

RPAエンジニアはしばらくニーズはある一方で、今後RPAエンジニア一本で仕事を続けることははやや厳しいでしょう。その理由としては主に以下です。

エンジニアとしての専門スキルが低い

RPAエンジニアの仕事はエンジニアの中でもSIerと呼ばれる部類に入りますが、他のSIerの仕事と比べると開発スキルの難易度はそこまで高くないです。

RPAはそもそも非エンジニアの方でも操作が可能なツールとなっており、プログラミング言語の知識さえあれば、自分でシナリオを作成することが可能です。

そのためエンジニアとして長期的なキャリアを考えた場合、RPAの開発経験のみではそこまで高く評価されないというのが正直な印象です。

他の業務効率化ツールの台頭

業務効率化ツールには、Webブラウザ上で操作が可能なSaasや今後だとAIのような高度なサービスがどんどん普及していくことでしょう。

ITサービスは移り変わりが激しく、その時代に合ったニーズを常にキャッチアップしていく必要があります。

そのため、時代に合った新しい技術を習得していくという意識は持っておく必要があるでしょう。

RPAエンジニア×専門スキルを習得する

RPAによる業務効率化の波は業種問わず、今後しばらくは続いていくのではないかと考えられます。

そのため、現在はRPAエンジニアの求人も増加傾向にあり、未経験からRPAエンジニアとしてキャリアチェンジする難易度もそれほど高くはないです。(あくまでWeb系のような即戦力人材を必要とするIT企業と比較してですが。)

ただし、10〜20年と長期的なキャリアプランを考えた場合、RPAエンジニア一本で仕事を続けていくことは今後の需要や実務経験の面からもリスクが高いです。

次へのキャリアアップを考えた場合、RPAエンジニアで身に付く経験でアピールできるスキルとしては主に2点です。

  • 業務フローの知識
  • ユーザとの折衝スキル
  • 要件定義・設計・開発・運用までのシステム開発経験

これらのスキルを活かして、業務改善の提案を行うITコンサルタントであったり、さらに専門スキルを身につけてAIエンジニアとして活躍することは、エンジニアとしてステップアップするための選択肢かもしれません。