エンジニアを目指している人、あるいは現在エンジニアで将来的にフリーランスとして活躍したいと考えている人は多いのではないでしょうか。
ただし、フリーランスエンジニアは個人事業主として業務を行う立場であり、働き方や待遇面が変化するだけでなく、正社員の時には総務や人事の方達が代行して行ってくれていた事務周りの雑務も自分で行わなければならなくなります。
事務処理も請求書発行や保険、年金と様々な手続きが必要になりますが、特に重要なのが税金です。
日本の税金の仕組みは非常に複雑なこともあり、本来は税理士に処理を委託してもらうことがベストです。ですが、個人事業主として最低限の税金の知識は必ず持っておかなければなりません。
なぜなら、税金は処理を間違っていたり、期限までに納付を完了していなければ加算税や延滞税といったように本来納める必要のない税金まで納めなければならなくなります。
また、税金を納めることを失念すると最悪自分の銀行口座が差し押さえられるという事態にまで発展する可能性もあります。
そこで、今回はフリーランスエンジニアになる上で、最低限の前提知識として知っておきたい税金について解説したいと思います。
所得税
世間ではよく確定申告と呼ばれている手続きで売上にかかる税金です。
主な概要は以下となります。
- 確定申告期間:2月16日〜3月15日(曜日によって若干の変動あり)
- 納付期限:3月15日(曜日によって若干の変動あり)
- 計算対象期間:納付する年の前年の1月1日〜12月31日(例→2020年に納付した税金の金額は、2019年の所得を基準として計算している)
確定申告は原則として毎年行う必要がある手続きです。例えば2019年にフリーランスエンジニアに転身して一定以上の所得が発生した場合、その翌年の2020年から確定申告を行う必要があります。
また、確定申告には様々な種類の所得があり、計算方法も異なってきます。
その中でもフリーランスエンジニアは事業所得という形で税金を計算することになります。
事業所得の計算方法は以下になります。
- 収入ー経費=所得
この所得に基づいて税金の計算が行われることになります。(厳密に言うと、ここからさらに各種控除が差し引かれたりするのですが、簡略的に説明するため、ここでは割愛します。)
収入は主に外注先から受け取った報酬のことで、経費は勉強するための技術本や常駐先までの交通費といったフリーランスエンジニアとして収入を得る上で必要なコストのことを言います。
収入は基本的にフリーランスエンジニアとしての報酬ぐらいなので問題ないのですが、経費については計算に入れても良い経費なのか区分が難しいものも中にはあります。
基本的にフリーランスエンジニアの事業を営む上で必要なコストであれば計算に入れても問題ないですが、その区分が曖昧なようであれば税理士に相談してみた方が良いかもしれません。
また、収入と所得はよく混同しやすいので、しっかりと言葉の意味を理解するように注意しましょう。
住民税
住民税とは都道府県と市町村に対して納める税金であり、会社員の頃には毎月、特別徴収という形で給与明細から差し引かれていたのではないでしょうか。
確定申告の手続きの際には住民税の項目も記入する必要があり、その計算に基づいて住民税を納める形となります。
6月頃に納付通知書が市町村から送られることになるのですが、会社員と違ってフリーランスの場合は普通徴収と言う形で住民税を納めます。
普通徴収は、自分自身で納付通知書に記載している所定の場所で住民税を期限内に納める必要があり、原則として6月、8月、10月、1月の年4回に分けて納めることになるのです。
そのため、特別徴収では毎月、年12回に分けて住民税を納めていたのに対して、フリーランスエンジニアになると年4回に分けて納める必要があるので、資金繰りの観点からもしっかりと準備しておきましう。
個人事業税
個人事業税とは、個人で事業を営んでいる中でも法定業種に当てはまる場合にかかる税金のことを言います。
確定申告を行っている場合は申告を行う必要はありませんが、フリーランスエンジニアは基本的に準委任契約と言う形をとっており、この法定業種に該当するケースは少ないため、非課税となる可能性があります。
ただし、業務内容や契約形態によっては課税対象となるケースもあるため、管轄の県税事務所に聞いてみて相談してみましょう。
消費税
消費税とは、文字通り消費にかかる税金です
この税金は開業してすぐに発生するものではなく、開業した年とその翌年は消費税を納めなくて良いケースが多いです。
ただし、以下の要件に該当した場合は消費税を納める義務が発生します。
- 3期目の前々年(つまり1期目)の売上額が1,000万円を超えた場合
→3期目では消費税の申告書を作成し、管轄の税務署に提出必要がある。
または
- 2期目の前年1月1日〜6月30日の間の売上額あるいは給与支払額が1,000万円を超えた場合
→2期目では消費税の申告書を作成し、管轄の税務署に提出必要がある。
個人事業主の場合、消費税の納付期限は3月31日です。
例えば、3期目で消費税の納税義務が発生した場合、その翌年に申告書を作成して所轄の税務署に提出した後、3月31日までに納付を完了させる必要があります。
消費税は納税義務が発生する要件が少々ややこしいのですが、1つの目安として1月1日〜12月31日の間における年間売上が1,000万円を超えてくるようであれば、消費税が発生するのではと考えてみることをオススメします。
そうした場合は、税務署あるいは税理士に相談してみましょう。
まとめ
フリーランスエンジニアの本業はもちろん仕事に専念することですが、個人事業主である以上、経営者という自覚を持ちながらお金周りの知識も勉強していく意識は非常に重要になってきます。
ぜひご参考に
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