RPAや人工知能、クラウドといった技術の急激な発展により、今後数十年間で会計士の仕事は新たな転換期を迎えようとしています。
結論として、公認会計士であってもプログラミングは差別化を図る上で非常に重要なスキルです。
プログラミングの仕組みを理解している会計士とそうでない会計士では、今後の業務パフォーマンスにも大きな影響を及ぼすことでしょう。
- 税理士業界での経験をきっかけにプログラミングによる業務改善に興味を持つ。
- その後、ITスキルゼロからプログラミングを独学で学習し、29歳でエンジニアにキャリアチェンジする。
- RPAによる社内業務改善、インフラ系のテクニカルサポート、Webエンジニアと経て現在はディレクターとしてECサイトの運営に携わる
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会計とITシステムの関係性
会計とITシステムとの親和性は非常に高く、RPAのようなデスクトップアプリケーションやマネーフォワードのERPやSansanが提供しているBilloneといった、Saasと呼ばれるサービスが注目を集めています。
ただ、会計士にとってこれらのはあくまでユーザとして利用するツールで、会計士がわざわざプログラミングのような専門スキルを習得する必要があるのかといった疑問を持つ人もいるのではないでしょうか?
会計士がプログラミングを学習すべき理由
日常業務の自動化に役立てることができる
例えば、このような日常業務を手作業で行なっていませんか?
- 会計ソフトの試算表の情報を抜き出し、独自のエクセルフォーマットに転記する。
- メールで送られてきたPDFファイルを指定のフォルダに格納する。etc…
定型的な業務はあらかじめプログラムを組んでおくことで、煩わしい業務からも解放され、手動によるケアレスミスも減らすことが可能となるのです。
今後、さらなるITツールが発展していく可能性も
近年のITツールの発展は目覚ましく、エンジニア界隈でも新しい技術が次から次へと出てきています。
例えばRPA市場はここ数年で急激に成長しており、現場でも活用する事例を見かけることも多くなってきたのではないでしょうか?
最近では、「PowerAutomateDesktop」と呼ばれるWindowsが一部無償で提供しているRPAまで出てくるようになりました。
こうしたツールは今後もますます出てきますし、RPAのような定型業務にとどまらないツールが現場に浸透していく可能性は極めて高いでしょう。
これらのツールは非エンジニアであっても利用できる仕様にはなってますが、より複雑な自動化プロセスを実現させるためには、プログラミングの知識が必要になってきます。
会計士のオススメのプログラミング言語とは?
エクセルVBA(プログラミング言語はVBA)
エクセルVBAは監査法人や会計事務所でも、習得している人は多いのではないでしょうか?
会計業界はWindowsを利用しているところも多く、それに伴ってExcelで資料を作成するこも多いかと思います。
そのため、プログラミングを習得するならまずエクセルVBAから始めることをオススメします。
さらに、VBAを習得することでRPAの操作にも応用することが可能です。
主要なRPAツールとしてWinactorやUipathといったものがありますが、これらはVBscriptやVB.Netといったプログラミング言語で操作できます。
上記で挙げたVBA、VBscript、VB.NetはいずれもMicrosoft社が開発したプログラミング言語で、多少の記述の違いはありますが、1つの言語を習得すれば他の言語も容易に習得できます。
もちろん、RPA自体はノンプログラミングでも利用できますが、上記のプログラミング言語を習得しておくことで、さらに複雑な仕様をRPAで実現することができるでしょう。
学習方法
エクセルVBAは参考書や無料の学習サイトが充実しているので、独学でも充分に習得できます。
ただ、独学によるプログラミング学習の挫折率は約9割とも言われており、厳しいと感じるようであればプログラミングスクールを活用するのも良いです。
そこで、オススメしたいのがKENスクールです。
KENスクールはそもそもVBAとは何かといった基礎から始まり、12時間程度でプログラミングの基本を習得することができるコースから実践的なスキルを身につける応用コースまで幅広く用意されています。
GAS(プログラミング言語はJavascript)
GASとはGoogle Apps Scriptの略でGoogleが提供しているサービスです。
主に利用するのはJavascriptと呼ばれるプログラミング言語なのですが、こちらも上記で述べたVBAと記述方法は異なるものの、プログラミングの基本的な考え方は同じようなものだと捉えて差し障りないでしょう。
エクセルVBAは自動化の範囲はエクセルのみですが、GASを使いこなせるようになると、スプレッドシートやGmailといったGoogleが提供しているサービスを操作することができることが大きな特徴ですね。
- Gmailから指定のメールを抽出し、抽出した文字をスプレッドシートに転記
学習方法
Javascriptの勉強法としては、まずProgateという無料サイトで学習してみることをオススメします。
基本的な文法をマスターした後、GASで自動化に挑戦してみましょう。
NoCode(プログラミング言語の知識は必要なし)
NoCodeとは最近、エンジニア界隈でも話題に上がっており、ソースコードを書かずにWebアプリを開発する手法の事を言います。
つまり、プログラミング言語の知識がない非エンジニアの方でもメルカリのようなWebサービスを開発することができるのです。
NoCodeツールには様々な種類がありますが、タスク自動化ツールとして有名なのもので「Zapier」や「Anyflow」があります。
また、日本のサービスではサイボウズ社が提供している「kintone」が有名ですね。
これらで自作したWebサービスと国内で提携されたSaasを組み合わせることで、独自のワークフローを作成できます。
Python
Pythonは近年最も注目されているプログラミング言語のうちの1つです。
機械学習や人工知能の開発に向いているプログラミング言語のため、会計士にとっては一番興味深い分野ではないでしょうか?
Pythonは今回挙げたプログラミング言語の中では一番重要かもしれません。
さらにPythonを使いこなすことができれば、エクセルVBAやGASで自動化できる範囲も対応しており、より汎用性が高いです。
ただ、PythonはエクセルVBAやGASと比べるとより学習の敷居が高くなります。
学習方法
Pythonは独学でも学習は可能ですが、TechAcademyはPythonを習得できるコースも豊富に用意しています。
詳しい学習プロセスについてはこちらの記事もぜひ併せてご覧ください。
会計×プログラミングの希少価値は非常に高い
プログラミングを学習する敷居は昔に比べて確実に下がってきており、IT技術はもはやエンジニアの専売特許でなくなりつつある時代になってきています。
一方で機械学習や人工知能のような高度な技術を必要とする領域も今後は増加傾向にあり、これらのツールを使いこなせる会計士は間違いなく差別化を図ることができます。
ぜひ、この機会に学習してみてはいかがでしょうか?
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