ITパスポートという資格をご存知でしょうか?
ITパスポートを勉強しておけば、クラウドサービスやAI・ビッグデータといった新しい技術が身に付くことができるだけでなく、経営面における幅広い知識も習得できます。
そこで、今回は税理士がなぜITパスポートを学習しておいた方が良いのかについて詳しく解説していきます。
Contents
そもそもITパスポートとは?
ITパスポートとはITに関する基礎的な知識を問う国家資格です。
近年のデジタル化による取り組みの影響で、IT企業以外においてもデジタル化によるITリテラシー向上のため、ITパスポートの学習を推進する企業が増加しています。
図:平成21年度以降のiパス累計応募者数推移
税理士がITパスポートを学習すべき3つの理由
税理士業界においてもITによる業務改革は進んでおり、今後さらに加速していくことはほぼ間違いないでしょう。
そのため、税理士業界で働く1人1人がITリテラシーを高めていくことは不可欠と言っても過言ではありません。
ソフトウェアの理解を深めるため
普段、当たり前のように業務で使用している会計ソフトは、いわゆるソフトウェアと言われるものです。
ソフトウェアには種類があり、パソコンの基本的な操作機能を提供する基本ソフトウェアやワードやエクセルは応用ソフトウェアと呼ばれます。
ちなみにITパスポートではこれらのソフトウェアの意味や種類を簡単に学習することができます。
近年のクラウド会計ソフトもSaasと呼ばれるサービスで、これは「Software as a Service」の略です。
つまり、これらをしっかりと理解することでソフトウェアの知識を深めることができ、サービスのメリットやデメリットを把握できるので、業務の意思決定にも役立てることができるのです。
セキュリティ面のリスクヘッジのため
デジタル化に伴い、セキュリティ面でのリスクも高まることも十分に理解しておく必要があります。
特に税理士の仕事はクライアントの機密資料を扱うので、入念なリスクヘッジを講じておかなければ信用低下にも繋がりかねません。
よって、セキュリティやサーバ・ネットワークといった基礎理解を深めるためにもITパスポートは大きな手助けとなるでしょう。
プログラミングの理解を深めるため
税理士の仕事は定型業務も多く、いかに作業を効率的に回して負担を減らしていくことを考えていくかが事務所運営にも大きく関わります。
効率的になればなるほど、余った時間をさらに高度な業務にも費やすこともできますし、従業員への負担の軽減や自己研鑽にも充てることができるでしょう。
業務の効率化のためにはITリテラシーの向上が不可欠で、具体的にはプログラミングの理解が必要となります。
ITパスポートではプログラミングの考え方や基本文法も学習することができるので、初学者にとっても理解しやすい内容となっています。
税理士がITパスポートを勉強すると実務でどう活かせるのか?
クラウド会計のメリットを理解できる
従来の会計ソフトはインストールしたパソコンの中でしか使用できなかったり、クライアントとのデータのやり取りも煩雑になりがちになるので、重大なミスの原因にも繋がりました。
しかし、近年のクラウド会計ソフト、いわゆるネインターネット経由でクライアントとやり取りを行うものが主流になりつつあります。
クラウド会計を正しく活用できれば会計事務所側とクライアント側の情報共有もリアルタイムで把握でき、テレワークといった働き方改革の面でも大きな成果を得ることができるでしょう。
上記でも述べましたが、クラウド会計のメリットをしっかりと理解するためにはまずソフトウェアの基礎知識が必要となるため、itパスポートはその手助けとなります。
セキュリティやネットワークの対応力が高まる
会計事務所ではオンプレミスと呼ばれる自社で運用しているサーバが多いかもしれませんが技術の発展に伴い、AWSのようなクラウドインフラサービスも扱うことも今後増えてくる可能性があります。
- オンプレミス・クラウドとは何か?
- 両者の違いは?
- 両者のメリット・デメリットは?
また、日常業務におけるPCや会計ソフトのアップデートやSSL、暗号化といったセキュリティ対策の重要性の理解も深まります。
よって、技術知識は事務所の経営にも大きく関わり、業務のコスト面やリスクヘッジにおいて役立てることができるでしょう。
迅速な業務の効率化に対応できる
エクセルVBA、GAS
会計業務における効率化といえば、まずエクセルVBAを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?
エクセルVBAはプログラミング言語を使用することで、エクセルの手作業そのものを自動化できるので非常に便利です。
最近ではGASと呼ばれるGoogle上で提供されているサービスをプログラミングで自動化できるツールもあります。
今後はおそらくプログラミングの知識は普遍的なスキルとなる可能性が高いので、学習しておくことを強くオススメします。
ただ、ITパスポートではプログラミング言語の考え方や基本文法といった概要は学習することができますが、具体的なプログラミング言語の内容までは学習することができません。
もし、itパスポートで学習してみてもっとプログラミング知りたいと感じたら、プログラミングスクールで学習してみるのも良いでしょう。
エクセルVBAはKENスクール[PC教室]というプログラミングスクールで
38,000円(税抜)から受講可能なコースが用意されているので、値段としてもかなりリーズナブルです。
GASに関しては、TechAcademyというプログラミングスクールで無料体験も開催しているので、試しに相談に乗ってみるのも良いでしょう。
もちろん、エクセルVBAもGASも独学でも学習することは可能ですが、独学でのプログラミング学習の挫折率は9割とも言われています。
プログラミングスクールに通った自分の経験から言っても、プログラミング学習は短期間で集中して学習できることと、いつでも質問できる環境が不可欠です。
そのため、時間と労力だけを浪費して何も成果を上げることができないよりかは、多少投資してでも短期で学習できる環境を整えてあげる方が個人的にはオススメですね。
RPA
最近、会計事務所でもRPAによる自動化が進んできたように感じます。
RPAは基本的にプログラミングを必要としないサービスなので、エクセルVBAより使いやすいですが、本格的に扱うとなるとやはりプログラミングの知識は必要です。
こちらも現在ではWinactorやUipathのような様々なサービスがありますが、基本的な操作方法は似たようなものなので、まずは参考書で学習してみると良いでしょう。
まとめ
ITパスポートはITリテラシーを高める上で、基礎的な部分をピンポイントで学習できる便利な資格です。
あくまで概要的な内容が多いですが、ITパスポートを学習しておくことで、上記にも挙げたようなより実践的なスキルにも応用することができるでしょう。
ぜひご参考に!
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