プログラミング学習

税理士がプログラミングを学習すべき理由と具体的にやるべきこと

税理士 プログラミング

自分は4年弱ほど税理士業界で働いた後、未経験から29歳でエンジニアにキャリアチェンジしました。

税理士業界で働いている人の中には、将来的なキャリアアップの手段としてプログラミングスキルを身につけてITリテラシーを高めたいと考えている人も多いのではないでしょうか?

税理士としてさらに活躍したい人にとって、プログラミングを習得することで今後大きな差別化を図ることができるのは言うまでもありません。

また、税理士にとってはこれらのツールを効率良く活用することで、業務効率化に役立つだけでなく、コスト削減といった事務所全体の収益向上にも繋がります。

税理士がプログラミングを学習すべき3つの理由

プログラミングは税理士業務との親和性が高い

税理士の仕事は日々の会計処理の入力や決算作業、税金の申告書作成といった作業が業務の大半を占めます。

経理のような定型業務を効率化するツールとしてExcelマクロ、最近ではRPAやクラウド会計といったITツールが税理士業界でも導入されるケースが増えてきていますが、これらのITツールを使いこなすにはいずれもプログラミングの考え方が必要になります。

例えばRPAを導入している税理士事務所には下記のような業務を効率化しています。

  • 毎月の試算表や推移表といった資料一式の出力
  • 内訳書の入力
  • Excelから数値や勘定科目といったデータを読み取って会計ソフトに入力

 

これらはほんの一例ですが、RPAを活用することで上記で挙げたような定型業務を自動化してくれます。

RPAはWinactorやUiPAthといった様々なITベンダーが販売しているツールがあり、それをデスクトップPCにインストールすることで利用することができます。

基本的にこれらのツールは簡単なシナリオ作成であれば、細かいプログラミングの知識は必要ありません。ですが、プログラミングの知識があった方がより高度な業務自動化のシナリオを作成することができるのです。

よって、RPAのようなITツールを使いこなせる会計事務所とそうでない事務所とでは今後、労働生産性の面で雲泥の差が広がるだけでなく、コスト削減の観点からも収益性に大きな違いが生まれることは言うまでもありません。

今後も税理士業界は慢性的な人手不足が続くと考えられる

税理士業界は慢性的な人手不足が陥っており、所員の出入りも激しく人材の定着を図ることができていません。

おそらく、今後もこうした状況が劇的に改善されるとは考えにくいでしょう。

そのため、今後は事務所運営としてもITを活用した業務効率化にコストを投じる可能性が高くなります。

いかに人材の雇用を確保するのかといった労働環境の改善がポイントとなるでしょう。

競合他社と大きな差別化を図ることができる

ITツールを効率よく活用できている税理士事務所は、クライアントとも円滑にコミュニケーションを図ることができているだけでなく、従業員にとってもリモートワークやクラウド会計を活用し、柔軟な働き方を提供している傾向にあるでしょう。

こうした事務所は人材の定着も良いだけでなく、税理士業務とIT活用を融合した付加価値の高いサービスを今後も提供できると私は考えています。

プログラミングはあくまで、ツールを動かすための手段に過ぎませんが、それに限らず会計システムやネットワークといったエンジニア目線でのクライアントサポートができる税理士事務所というのは大きな差別化を図ることができるでしょう。

では税理士が学習すべきITスキルとは?

個人的に学習すべきサービスはGASです。

GASとはGoogleが提供しているプログラミング言語を言います。

詳しくはこちらの記事もぜひご覧ください。

税理士業界で働いていて思い浮かべる自動化ツールとして、エクセルVBAは真っ先に思い浮かべる人も多いと思います。

エクセルは普段の業務でも頻繁に使いますし、初学者がプログラミングを学ぶ上でオススメのツールです。

ただ、今後の業務の効率化を考慮するとGASを学習した方がより幅広い応用がきく可能性があります。

主な理由は2つです。

プログラミング言語がJavascript

GASはJavascriptというプログラミング言語を使って操作をします。

プログラミング言語 シェア

出典:日経×TECH https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01068/111100001/

上記はITエンジニア440人が普段システム開発で使用している言語をアンケートし、ランキング形式でで表したグラフですが、見ての通りJavascriptはエンジニアの中でも非常に汎用性が高い言語で、使用割合も高いことがわかるかと思います。

Javascriptは初学者でも学習しやすく、Webサービス開発でよく使われる言語です。

ちなみにエクセルVBAで扱うVBAも上位に位置しており、初学者にとっては学習しやすい言語なのですが、Javascriptに比べるとやや汎用性が低い言語と言えるでしょう。

クラウドサービスの普及

近年マネーフォワードやfreeeといったクラウド会計が税理士業界でも普及してきたように今後もto B向けのSaasサービスが日本でもさらに広がっていく可能性が高いです。

Saas 市場規模

上記のグラフは日本のSaas市場規模の推移を表しており、年々右肩上がりで成長を遂げていることが見て取れます。

Saasが世の中にさらに普及すると、次に起こるのがSaas間の連携です。

つまり、Googleで提供しているサービスとfreeeのようなクラウドサービスをAPIと呼ばれる手法で連携することで、情報を一元化することが可能になるのです。

そして、API連携にはプログラミングの知識が必要になるのですが、汎用性が高い言語であるJavascriptを身に付けておくことで素早く開発することができます。

API連携はDXの一環でも注目されている技術手法であり、これらを習得する入り口としてGASを学習しておくこともアリかもしれません。

プログラミングの学習方法

プログラミングの学習方法についてはProgateやドットインストールを活用して無料で学習できるサイトがあり、Javascriptもこれらを活用することで基本文法は身に付けることが可能です。

また、独学での学習に不安を感じるようであればテックアカデミーのGASコースがオススメです。

テックアカデミーは4週間コースから受講が可能で、オンラインプログラミングスクールの中では受講者数No.1です。

まとめ

以上、簡単にまとめると

要約まとめ
  • プログラミングを身につけることで労働環境を改善できる
  • 無駄な時間の削減により、事務所全体のコスト削減に繋がる
  • 競合他社と差別化できるサービスを提供することができる

今後は税理士業界においても従来の申告サービスを提供する税理士だけでなく、エンジニアレベルでITをフル活用できる人材が重宝される可能性が高いです。

自分も税理士業界からエンジニアへとキャリアチェンジしたわけですが、税理士業界におけるITリテラシーは非常に低く、少しプログラミングに詳しい周りと大きな差を広げることができます。

よって、税理士業界で働いていた立場として、税理士+αでどのスキルを身につけるべきかと聞かれたら、間違いなくITスキルと断言するでしょう。