ビジネススキルの三種の神器とも言える「IT」「会計」「英語」。
その中でも特に人気なのが、プログラミングと簿記の2大スキルです。
今回は自分が両方とも学習した経験も踏まえて、両者の特徴や難易度について解説していきたいと思います。
- 税理士業界で4年弱経験した後、IT知識ゼロからプログラミングを学習し、29歳でエンジニアにキャリアチェンジする。
- RPAによる社内SE、テクニカルサポート、Webエンジニアと経験を積み現在はSE兼PGとしてECサイトのディレクションに携わる
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プログラミングと簿記、両方に共通している特徴とは?
数学の知識は基本的にいらない
これはプログラミングと簿記の両方にも言えることですが、基本的に数学の知識は必要ありません。
プログラミングとは簡単に言うと、パソコンに対してこうして欲しいという命令を与える言葉のようなものです。
ただし、プログラミングの中でもAI(人工知能)や機械学習、統計処理といった分野においては微分積分、線形代数といった数学の知識が必要になります。
簿記に関しても簡単な四則演算が出てくるだけですし、ほぼ電卓を使いながら問題を解いていくので、数学のような難しい数式を使って計算することはありません。
論理的思考が必要
これは両者においても必要な資質の1つです。
まずは簿記で1つ例を挙げてみましょう。
建物の修繕が発生した場合で仕訳を入力する時、「修繕費」あるいは「建物」として勘定科目を割り当てることが多いのですが、この場合どちらが適切なのでしょうか。
答えは「この文章を見ただけではわからない」です。
実は簿記ではこうした仕訳の判断を会計処理のルールに基づいて決めていきます。
上記の例ではまず、発生した金額と使用目的といった詳細が記載されていません。簿記はこうした情報を基にして会計処理のルールに当てはめていき、処理を決めていくのです。
つまり、簿記はルールに基づいて処理を組み立てていくという作業が非常に重要なので、論理的思考が必要となるのです。
一方でプログラミングも1つ例をとってみましょう。
「syntax error」
プログラミング経験がない人には馴染みが薄いかもしれませんが、プログラミング作業ではこうしたエラー文というものが頻繁に出てきます。
例えば、上記のエラーは文法エラーを意味しており、ソースコードが決められた文法に沿って記述できていなければ表示されます。
プログラミングでは他にも様々なエラーがありますが、こうしたエラーを解決するためにはまずエラーの種類を把握し、どこの箇所で発生しているのかといったことを論理的に組み立て、仮説検証を繰り返す能力が必要となるのです。
よって、プログラミングにおいても論理的思考は非常に重要な要素となります。
一方でプログラミングと簿記、それぞれの特徴とは?
数字に抵抗があれば簿記は難しい
数字を見ること自体に抵抗がある人には簿記は難しいかもしれません。
例えば、実務においても1,000円の会議のお茶代の会計処理が1,000,000円と明らかな入力の打ち間違いのような誤処理もあるため、数字の違和感に敏感であることは重要な要素と言えるでしょう。
ケアレスミスが多い人は簿記は難しい
ケアレスミスやうっかりミスが多い人は簿記は難しいでしょう。
資格試験でも1円でも数字が間違っていれば不正解ですし、実務で数字を間違えてしまうような場面が多発するとクビか最悪、損害賠償にも発展しまう可能性もあります。
そのため、簿記を仕事するのであればむしろ注意深すぎるぐらい人の方が特徴として向いている傾向があります。
国語力が乏しければプログラミングは難しい
プログラミングは数学的な能力が必要なのでは?と考える人も多いかもしれませんが、実はプログラミングは国語力が非常に重要です。
プログラミングではソースコードやエラー文を正確に把握する読解力が必要で、文章を読むことが得意な人はプログラミングに向いてる可能性が高いです。
さらにクラスとインスタンスといった未経験者にとっては聞いてもサッパリ理解できないような用語も頻繁に出てくるため、語彙力も大切な資質となります。
一方で文章を読むのが苦手な人は、プログラミング学習始めたての頃は理解できない横文字が山ほど出てくるので、まず何が書かれている内容なのかを把握することが難しく、挫折してしまうことも少なくないので注意しましょう。
英語力が不足しているとプログラミングは難しい
ソースコードは基本的に英語で書かれています。
また、エラー文も英語で書かれているため、文章読解力だけでなく英語に翻訳して正しく理解する能力も重要です。
やや専門的な話になりますが、ソースコードには命名規則というものがあり、変数やメソッドの定義には何を行なっているのか理解できる英単語を設定する必要があるのです。
また、原因を調べるために英文で記述されているサイトを目にすることもあります。
そのため、作業をする上で英単語の意味を調べる能力は必須ですが、出来れば高校卒業レベルの英語力は身につけておいた方が作業効率はより良いでしょう。
調べる力がなければプログラミングは難しい
プログラミングはソースコードを書いている時間より、考えたり調べたりする時間の方が断然多いです。
エラーの原因を解決したり、わからない実装方法をネットで調べる能力がプログラミングには必須でこのスキルを身につけることができなければ、かなり難しいです。
ただ、最初はどうやって調べれば良いのか苦労すると思いますが、繰り返しエラーに対処しているうちに徐々に調べ方が身についてくると思うのでご安心ください。
結論:向き不向きによって難しさは異なる
いかがでしたでしょうか。
両者の共通点や特徴をまとめてみましたが、必ずしも上記で記述した能力が少し劣っているからといって気にする必要はありません。
簿記もプログラミングにしてもコツコツと継続さえすれば、ある程度の実力は誰でも身につけることができます。
重要なのは目的に合ったスキルを選ぶことです。
自分の知的好奇心やキャリア設計に沿ったスキルを身につけましょう。
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